この本、「ビブリア古書堂」という小説で知ったんですが…
本題「たんぽぽ娘」は13編からなる短編集です。
(くっ、ためしにかいてみたがもうだめだ、私の絵心は廃れた)
まあとにかく、SFとありましたが、けっこうラブロマンスが強めの作品でした。
ここでは、特にお気に入りのお話を少し書いていきたいと思います。
☆お気に入りの話
先ずは表題作「たんぽぽ娘」
マークは丘の上で過去からタイムスリップしてきたという
ジュリーという金髪で白いドレスを着た21才の女性と出会う。
44才のマークは年甲斐もなくジュリーに惹かれていく。
しかし、ある日彼女は悲しそうな面持ちで「もう会えない」と告げる。
喪失感を抱えながらも彼は日常を過ごしていたが
自宅に趣味のジグソーパズルをとりに上がった
そこで屋根裏部屋で別居している奥さんのスーツケースを見つける。
その中にはジュリーの白いドレスが入っていた。
彼は奥さんのもとへ走る。
「特別急行が遅れた日」
鉄道の運転手のお話。
これはなごやかなストーリー展開かと思いきや
ラスト1ページで一気にゾッとするような真実が明かされる。
「河を下る旅」
ある河で二人の男女が出会うが、この二人が出会った場所はいわゆる三途の川だった。
やがて嵐に巻き込まれ二人は離ればなれになる。
好きになった女性を助けるため三途の世界から抜け出し主人公の男性は女性のもとへ走る。
がんばれ✊‼と手に汗握る後半からのあのラストは卑怯。(ほめことば)
「失われし時のかたみ」
ある謎の部屋で男は自分が生きてきた過去の遺物と対面する。
なぜ、この部屋は彼の歴史を知っているのか?
なぜ、彼の過去の人生の転換期の時に持っていた物が目の前にあるのか?
その謎が解けたとき
順風満帆の人生を送ってきたはずの彼が見いだした人生の答えは…?
☆感想
SFとロマンスがうまく融合していて読みやすいかと思います。
しかし、あまりにも甘酸っぱい文章なのですこーし恥ずかしくなってきますが…
でも、恋愛ものは好きではないけど、SFとかに絡む程度なら平気という感覚で読むとかなり、楽しく読めます。
私は、SFは初心者なのですが、これは「当たり」でした。
SF作品というと理系というかんじがして
今まで、とっつきにくかったのですが
この作品はむしろ恋愛もの…といった感じで読みました。
タイムスリップや宇宙の不思議生物や宇宙戦争なんかの
お話も登場するけど、まあこのくらいなら理解できる。
ヤングの作品は他にもあるようなので色々読んでみる。見事にハマりまました。