読書人間の電子書斎

〜今まで読んだ本を記録して自分だけの図書室を作るブログ〜

なにひとつ解説などできない村上春樹「TVピープル」

 

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村上春樹作品って難解で

これは一冊読んだだけでは分からない作家だと思って

理解できるまで読んでやろうと思って

ねじまき鳥クロニクル」「ノルウェーの森」

1Q84」「騎士団長殺し」「羊をめぐる冒険

アフターダーク」「海辺のカフカ」をざっと読みました。

 

それはもう必死にかじりついて読んでました。

 

で、「TVピープル

TVピープル (文春文庫)

TVピープル (文春文庫)

 

 こちらは短編ということで、さほど難解さもなく

ファンタジーものとしてさらっと読めることができました。

 

表題作の「TVピープル」は

ちいさなTVピープルという小人が主人公の家を徘徊しまくる

そして、飛行機を家の中に作り上げる…となんかそんな話です。

正直、よくわからないのですが

このTVピープルが何者で主人公にどんな展開が 

待ち受けてるんだろうと面白く読めたお話。

 

お気に入りのお話は「ゾンビ」

主人公が彼氏に夢の中で罵倒される。

「ああ、いやな夢だった」と目を覚まして彼氏に夢のことを話すけど

彼氏は「ああ、そういえば…」と語りだす実は…夢は現実だった?

この彼氏と主人公はこれからどうなるのか?色々詮索したくなる

村上春樹バージョン世にも奇妙な物語感がある短編。


短いお話だけど、いい意味で村上春樹っぽくない

怖い話を読むことができました。

 

あと、短編の3話の「我ら時代のフォークロア」というお話と

最後の「眠り」というお話が繋がってたりしてそういう気付きが面白い。

 

☆感想

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他の村上春樹作品「ねじまき鳥クロニクル」にも

登場するキャラクターの過去?パラレルワールド?のお話を読めたり

他の長編作品にも繋がるような話やワードがチラホラとこの「TVピープル」という短編集に見受けられた。

 

村上春樹作品は一作だけ読んでも完全には理解できない作家だと再確認

 

一作だけで敬遠せずに他の作品も読んで共通点とかを探して

色んな考察をするのが村上春樹の楽しみかたなんだなと思ったし

 

やっと、私も村上春樹の醍醐味が分かる第一歩を踏み出したのか

成長したなと感じることができた作品だった(自意識過剰)

 

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