4月4日はイースター(キリストの復活祭)ということで
その絵本などのひとくちメモ感想を書いていこうと思います。
★ピーターラビット①/ビアトリクス・ポター
まず一冊目、イースターはウサギということで定番の「ピーターラビット」
これ私が子供の頃、持ってたんだけど引っ越しとかで捨ててしまって改めて読んだのだけども、ピーターラビットってこんなハードな話だったんですね。
ピーターのお父さんは畑の主のマクレガーさんにミートパイにされたのに、いたずら好きのピーターはそれでもマクレガーさんの畑を荒らしに行く。
始末するためにピーターを追うマクレガーさんと泣きながら逃げ惑うピーターの逃走劇というわりとブラックな絵本でした。
著者のビアトリクス・ポターはキノコなどの研究をしていて論文を出していた。(女性だからという理由で却下されたが…)
そのせいか、著者の挿絵は動物だけでなく植物などが細密に描かれていて素晴らしい。
★ウサギ/新美南吉
こちらは「手袋を買いに」「ごんぎつね」で有名な新美南吉
牛のように大きくなるウサギだとだまされ、積荷を運ぶ牛のように使おうという目的で買ったものの、いっこうに大きくなることはなくやきもきする行商人の話。ページ数は短いながらもコメディ感がある。
★うさぎと二人のおじいさん/小川未明
うさぎ好きのおじいさんはペットのうさぎを放し飼いにしているのだが、それが気に食わない隣のおじいさんはある日、庭に侵入してきたうさぎ好きのおじいさんのうさぎに向かって咳をして風邪をうつす。
それに怒るうさぎ好きのおじいさん…そんな話を聞きつけて噂する隣人たち…そこからこの諍いが村中に広がっていく…。
皮肉の効いたオチが秀逸な短編でした。
★ことりとねこのものがたり/なかえよしを
イースター=たまご=とり…という無茶な連想で読んだ絵本
この絵本は私が子供の頃から所持していてたまに読んでるのですが何度目かの再読。
主人公のくろねこは猫のくせに高い所に登れない弱虫で、そんなくろねこの友達は空を飛びたい小鳥。
ある日、自由に飛んでみたいという小鳥をかごから出してやり飛ばしてやることにした…自由に大空を飛ぶ小鳥
帰ってきた小鳥はくろねこに「また飛びたいわ」と言い残し
次の日、死んでしまう。
実は小鳥は年老いており飛んだことで体力を消耗していたのだ。
「小鳥を殺したな!」と小鳥の飼い主に追われるくろねこ
くろねこは小鳥の羽をくわえて逃げ出した、ある目的を持って…
この絵本は人のために勇気を持って立ち向かうということを描いていると書いているが、私は小鳥とくろねこの絆にも感動した。
特に、最後の高い木の上で空を舞う小鳥の羽を眺めるくろねこの後ろ姿の絵には涙腺が刺激される。
子供の頃に読んだ時はただ小鳥が死んでかわいそうだなという感想だったけど
大人になってから読んだら勇気のあり方、種を超えた友情、大切な人の為に何ができるかを考えさせられる作品になっていた。
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上の3冊はKindleで無料で読めるし、充分に面白い話なので読んで損はないお得な作品です。
「ことりとねこのものがたり」はなにか壁にぶつかった時にまた読むと思う。
イースター関係なくいつでも楽しめる絵本の感想でした。