「オタクになる前の記憶がない」
「腐女子のつづ井さん」というエッセイ漫画は知っていたのだけれど
詳しくは知らなかったので、画像検索をかけたらこの言葉を発するつづ井さんの友人のコマを目にした
このセリフに心当たりのある私は一気にこの漫画に興味を惹かれて読むことにした
これは著者のつづ井さんの日常絵日記となっており、オタクでボーイズラブいわゆるBL好きの腐女子であるつづ井さんと、その友人の楽しいオタクライフが詰まっているエッセイ漫画である。
★感想
オシャレなネイルよりも推しフィギュアが嬉しい
断捨離をしてもグッズだけは捨てない固い意志
推しが尊すぎて宇宙に思いを馳せる…全てにおいて分かりみしかないけど
上記の「オタクになる前の記憶がない」
オタクになる前は何をしていた?という問いにつづ井さんの友人のオカザキさんが放った一言が特に強烈である。
確かに私も無類のアニメ好きで16年間推し続けているキャラがいるけど、そのキャラを好きになる前の記憶がない
今でこそ、そのキャラの事を考えたりpixiv漁ったり毎日がきらめいているけれど、そのキャラを好きになる前は何を生きがいにして生きてきたのか全く思い出せない。
オタクになると記憶が消えるのかとこのエッセイ漫画で改めて気付かされた。
それに、推しへの想いをテーマに「ラップバトル」したり、あたかもクリスマスを推しと過ごしたように見せかける「恋人がいそうなクリスマス選手権」などなど、つづ井さんが友人と本気でバカをやる様が面白くて、大人になってもこんなにはしゃげる友人が欲しいなーと羨ましくなってしまう漫画でもある。
でも、この漫画はそれだけでとどまらない
とにかく、推しへの愛がすごい
オタクとして腐女子として推しを支える信念が一貫していて同じオタクとして尊敬の念すら抱いてしまう
推しが死んでその悲しみで不正出血をして4キロやせたというエピソードを読んだ時に「あ、負けたな」と思った
推しがよく死ぬ私でもここまではならない
また、2次元と3次元に実はさほど差はないのではないか
腐女子である事は罪なのか…一人でも全力で楽しむ事ができるオタクは最強なのか友人と議論を戦わせるつづ井さんは哲学的と言ってもいい。
このエッセイ漫画は全オタク達の気持ちを代弁してくれているので、我こそがオタクだという人にも読んでほしいし
いわゆるパンピー、推しがいない人からすると2次元に全力で傾倒するオタク達に「なぜ現実の人間を好きにならないのか」と滑稽に思ってる人にも読んでほしい
これを読めば、オタク達の生体が全て理解できるから…である。
今回はなぜか、お堅い語りになってしまった…いや、真剣に語りたくなるほどこの本が私のバイブルになってしまったから仕方ないか。
もちろん、続編である「裸一貫つづ井さん」も読んでいる
pixivでも読めるのでぜひぜひ!!