【嫌ミスか?】ギリアン・フリン「ゴーン・ガール」下巻感想【ちょいネタバレ】
下巻やっとこの前、読み終わったー。
嫌ミスは苦手なのですがこの小説はわりとサラサラと読めました。
こちらは「ゴーン・ガール」の上巻の感想↓
★下巻のあらすじ
下巻では、上巻のエイミーの日記がニックを社会的に追い詰めるための嘘だったと分かるのだけれど、ニックに疑いが向く証拠品や現場状況を作るためにエイミーが一年もかけて完成させていた事が分かるのです。
エイミー、恐ろしい女…!
いや、上巻の私の感想を見てもわかる通り、私って「ニックの野郎…!」とニックに対して敵意を抱きながら読んでいたのだけれど、それも全てエイミーがそうなるように仕向けたわけですな…私は、まんまとかかったわけ。
で、あとはニックのダメさ加減に振り回されたエイミーが復讐のためニックを嫐るだけのお話になっていくのかと思いきや違った…
一番、面白い所なのでネタバレなしで書くけど、ここからエイミーは読者には予測不可能な行動を取り、なんとニックの元へ帰るのです。
その目的はなによりも恐ろしい目的のため…
★感想
エイミー、アグレッシブすぎるでしょ…
自分の目的やプライドを守るためならどんな手も厭わず、一切の証拠も残さない。
おまけに、最後の最後には「とある手段」を使って欲しかった物を全て手に入れる。
しかも最終的にニックまである種の洗脳状態に陥ってしまい結末を迎えるんだけど、この作品の結末って一見すると幸せな幕引きなんだけど、読者からすると「もう破滅一直線だろう」と感じさせる違和感の残る気持ちの悪い終わり方なんですよね
エイミーとニックは幸せそう、でも客観的に見ると終わってる…すごい対比…。
この後味の悪さを嫌ミスというなら、この作品は嫌ミスとして大成功していると思う…本当に気持ち悪かった。
またミステリー要素の面を語らせてもらうと、私は個人的に嫌ミスって軽く読めるタイプの(いわゆるラノベ的な)ミステリーなんだろうなって思ってたんだけど、この作品は上巻の随所に伏線が張られていて、下巻で見事に回収されていく様が凄かった。
証拠、アリバイ共にもスキがなくミステリーとして完成度が高いし、完全犯罪とは実はこういうものなのではないだろうか?と思わせられる面白いミステリー小説だった。
映画はまだ観てないのでさっそく観たいですねえ…