「推し、燃ゆ」で芥川賞を受賞した著者のデビュー作「かか」を読んだ短い感想を書いていきます
なぜ、短いかは毎度の事ながら私と文学作品の相性が悪すぎるからだ
(私の読解力がない)
ちなみに、私はまだ「推し、燃ゆ」を読んでないから今度読む。
★あらすじ
浪人生のうーちゃんは離婚して病んでしまった母親(かか)と弟のみっくん、従姉妹の明子、祖母(ばば)と暮らしている
複雑な家庭で育ったうーちゃんの居場所は狭いSNSの中だけだった
荒れる毎日の中でかかは身体を壊し子宮の手術をする事になるが、うーちゃんは自分を取り巻く不自由なものを振り切るように旅に出た
★感想
やっぱ、私には文学作品はむずい
独特の文体(方言?)が印象的な本作
語り手が「おまい」(お前みたいな意味)と読者に語りかけるのもまた癖が強い
読者は恐らく「おまい」となってうーちゃん達を見守る存在なんだと思うけど…とにかくもどかしい
うーちゃんは、かかを自分が産みなおして愛してやりたいと思うほど愛しているのに、脆すぎる母親に苛立ちを覚えて傷つけてしまう
かかも愛情を欲して結婚してうーちゃんとみっくんを産んだのに旦那に浮気されて捨てられてしまう
どこまでも愛されないと泣き叫んで自傷行為をするほど壊れてしまったかかは精神が自立できないまま親になった子供に見えて痛々しかった
うーちゃんだってかかに子供として愛されたいのに、うーちゃんの愛情が一方通行になってしまってる感じがもどかしい
うーちゃんとかかだけが、誰もが幼少期にもらう愛情から置き去りにされてる感じが読んでてキツかった
二人とも救われたらいいのにという結末
まあ、それはさておき
初読み作家さんだけど、病んだ者の気持ち、すれ違う愛情、自らの性を負担に思う感覚などの細かい感情表現が豊かで、文章から生命力を感じる作品だった