読書人間の電子書斎

〜今まで読んだ本を記録して自分だけの図書室を作るブログ〜

【霊媒探偵城塚翡翠】「medium」相沢沙呼

Twitterでも確実にタイムラインに流れてくるので気になってはいたけど

本屋大賞にノミネートされた新本格ミステリーだと知って「本屋大賞」という言葉に弱いミーハーな私はこの作品を読む事に決めた

 そしてつい最近、読み終えたけど実に面白かった👏

 

★あらすじ

推理小説家の香月は、大学時代の後輩の結花を通して霊媒師の翡翠に出会う

なんでも翡翠は死者が最後に見たものを感じ取ったり、その魂を身体に降ろすことができるのだ

 

推理小説家でありながら、その類まれなる推理能力で刑事の鐘場に事件の協力している香月は翡翠とバディを組んで霊媒の力を駆使しながら数々の難事件に挑む

 

そんな中、件のシリアルキラーの魔の手が翡翠に迫っていた

 

彼女の運命は?

 

 

★感想

この帯の「すべてが、伏線」という言葉が心底しっくりくる

 

全四話、一話完結となっていて「推理作家と霊媒師という異例の組合せではあるけど謎解き要素自体は王道すぎる」と思いながら読んでたんだけど

物語の合間にちょくちょく挟まれるシリアルキラーの凶行の場面で「おや?まさか犯人はあいつ?」と感づいてしまう

 

そこから読む手が止まらない

 

ネタバレ回避しながら書いていくのは難しいけど…

最終話で翡翠シリアルキラーに捕まってから繰り広げられる推理合戦には舌を巻く

この物語の本当の主人公の頭のキレ…少しの手がかりから犯人を導き出し、他人を思う様に誘導していく真主人公の能力に恐ろしさすら覚える

(あと煽り属性も高い)

 

前の三話の事件は最終話のために用意された壮大な伏線であり、その怒涛の伏線回収に読む者は圧倒されてしまうのだ

 

作者さんの手の平で踊らされてた感じすらした

 

そして読み終わった時、表紙の翡翠の手に巻かれた赤い布の意味も分かるようになるので表紙含めて味わい深い作品

 

あと、翡翠ちゃんがかわいい

 

読書サイトの感想を見ると「翡翠ちゃんがあざとい」と言われてる方がいて「翡翠ちゃんって天然なだけなのでは?なにがあざといの?」と疑問に思ったけど、最終話を読んだら分かる。なるほど、あざとい。

 

↓「invert」という続編も刊行されてます

どうやら、こちらはmediumですら伏線となっている作品だそう…

 「medium」を超える驚きをこの身で体験したいので、近いうち読もうと思います。