【夏の怖い本祭り2021第四弾】「姉飼」遠藤徹【短い感想】
「粘膜人間」に続いてぶっとんでるホラーといえば、これですよ?
って言えるくらいぶっとんでるホラー小説
正直、この本を読んだって思われたくないというか…私が変態、もしくは性的倒錯者のヤバイやつだと思われないだろうか…?
そこが、心配だなあと思いつつこの感想を残します
※この本は短編集になってるんですが、主に表題作の「姉飼」について書いています
★あらすじ
蚊吸い豚(めっちゃ臭い)をあがめ、村の繁栄を祝うギトギトした「脂祭り」という夜に、少年は見世物として串刺しになっている「姉」に出会う
姉は串に刺され悲鳴をあげながらも、強靭な生命力で死ぬことはない謎の生物なのだ
ある日、少年の女友達が「お父さんが姉を飼っている」と教えてくれた
少年は女友達と共に「姉」を見に行く
そこでは、SMを軽く凌駕する拷問が繰り広げられていた
少年は髪を振り乱し荒れ狂う「姉」に魅了される
「いつか僕も大人になったら姉を飼おう」
そして、大人になったかつての少年は「姉」を手に入れるが…
★感想
作者さんの性癖、特殊すぎるだろ…
この本は家にある目録であらすじだけ読んでて「グロい系ホラー?それとも変態的な小説か?」などと怖いもの見たさで、おそるおそる図書館で借りて読んだのだけども…
半分ハズレ、半分当たりって感じだった
拷問シーン(といっても、詳細に描かれてるわけではない)は、ちょいSMを思わせる変態さを感じたけど最後まで読むと軽いどんでん返しが仕組まれてるホラー
(あらすじに「女」友達と書いたがそれがヒント)
少年の歪んだ性癖と「姉」への純粋な恋心が描かれていて、意外にも文学的なので怖さを期待しすぎた私は肩透かしをくらった
たぶんこれ、一種の恋愛ものです
※
上記にこの本は短編と書きましたが、他の話も強烈で
ジャングルジムが性行為をする話も収録されてたりします
ついて行ってはいけないし、理解してはいけない闇深本
どハマりする人と嫌悪感が湧く人…好き嫌いが分かれそう
個人的には怖いホラーとは思えなかったけど、脂が全身にべとっと張り付き毛穴を塞いでくるような感覚を受ける気持ち悪すぎる文章表現が見事な一冊だと感じた
本当は色んな人にこの本を読んでもらって感想聞きたいけど勧めにくいから、ここに感想残しときます