読書人間の電子書斎

〜今まで読んだ本を記録して自分だけの図書室を作るブログ〜

【読む前の自分に戻りたい】「隣の家の少女」ジャック・ケッチャム【感情的な長い感想、ネタバレあり】

スティーブン・キング絶賛というあおりに引かれて手に取った本書

ホラーかミステリーみたいなもんかなと軽々しい気持ちで読んだんだけど、読み進めていくうちに吐き気を催した

 

グロ耐性がある人でもこの作品は耐えきれるものではないと思います

なるべく過激な表現は避けて書きますが性的虐待や性犯罪などのトラウマがある方はブラウザバックして下さい

 

★あらすじ

両親の仲が悪く家庭環境に問題のある十二歳のディビッド

ある夏の日、川でザリガニ釣りをしているとメグという少し年上の美少女に出会い一目惚れする

彼女は両親が亡くなったので、妹スーザンと一緒に叔母であるルースの家に引き取られてきたという(ルースはディビッドの隣の家に住んでいる)

 

ディビッドはルースの家に通いルースの子供達やメグと過ごす日々を心から楽しんでいた

幸せな日々だったが、しだいにメグがご飯を食べさせてもらってない事、メグがルースの子供達にいじめられている事などメグが異常な状況下に置かれている事を知る

 

そして、とうとうこの最悪な環境に耐えかねたメグは自身が置かれた状況を警察に相談する…が、警察はメグの話を「ルースは君を想ってやっているんだよ」とスルー

 

おまけに警察に相談した事がルースにバレてしまう

 

ルースは怒り狂い、罰のために「メグを家から出さない」という決まりを作る

 

ディビッドもメグの軽率な行動に腹を立てしばらくはルースの家には行かなかったのだが、数日後、気まぐれにルースの家に遊びに行ったらメグは地下室の中でルースの子供達に暴力を振るわれていた

 

スーザンを人質に取られているのでメグは反撃すらできない

 

メグは立ったまま縛り上げ全裸にされる、それを笑いながら眺めるルース

ディビッドはそれを異常だと感じるが、メグの裸に魅了され、なぶられるメグを見たいというサディズム的な欲求に勝てずそれを止めることをしなかった

 

地下室で縛られ閉じ込められたメグへの虐待は近所の子供も加担して日増しに「拷問」といえるほどの行為へとエスカレートしていく…

 

この話は実際の事件がモデルになっていて「シルビアライケンス事件」と言われている

ja.m.wikipedia.org

↑いちおう、Wikiへのリンクを貼っときますが、かなり凄惨な内容なので感受性が強い方や精神的に弱っている方にはおすすめしません

トラウマになる可能性があるので読むのは本当に自己責任でお願いします

※このガートルードという奴が主犯でルースのモデル、無期懲役判決が出ています

 

 

★感想(長め)

読了後の虚脱感が凄かった…この作品は、実在の事件をモデルにしただけであくまでフィクションだと思いながら読むのが良いのかも

 

メグが衰弱していく場面では助かってほしいけど、それが叶わないならいっそ早く亡くなってほしい、そうすればもうメグが苦しまされる事はないからと願ってしまったほどに辛かった

 

この話はメグとスーザン以外誰にも同情はできない

 

ルースを主犯としてルースの子供達と近所の子供がこぞってメグに悪逆の限りを尽くす

ルースはメグをあばずれだと言い、メグを男と交われない身体にすればメグは完璧になるのだ…と謎理論を垂れている場面は教祖のようだし、集団になるとたがが外れる子供達も怖い(大人になったらどうなるんだ)

 

メグの体に卑猥な言葉を掘る、妹のスーザンの前で凌辱する、果てにはメグの性器を〇〇する場面はもう耐えられなかった

この物語の中に私を入らせてくれ、私がこいつら全員こ〇してやるから…と思ったほどだった

 

ディビッドだって最終的にメグを逃がそうとしたけどその行動はもっと早くにできたはず、メグが死にかけてからでは遅い

中年になったディビッドが後悔する場面があるけど、子供の頃のディビッドは痛めつけられるメグに明らかに興奮していた、親にバレたら怖いという自己保身と自分の欲望のために通報すらしなかった

その罪は一生背負うべきものだと思う

 

もちろんメグを死に至るまで痛めつけた子供達も地獄に落ちるべき

ルースの最期も生ぬるい、ルースも縛って熱湯をかけて屈辱に満ちた言葉を掘ってやりたい

 

……ただ、この本を読んでいて一番嫌だったのは「この先どうなるんだろう」と怖いもの見たさで読み進めた自分

これでは傍観者だったディビッドと同じではないか?自分は鬼畜なのか?と混乱し、嫌悪感が湧いた

それとも、ここまで気持ちの悪い話をスラスラと読ませるのがジャック・ケッチャムの実力なのだろうか?

ある意味すごい才能だけど、この著者の本はもう読みたくない

「これを読んでる自分はおかしくなってしまったのでは」と思い悩んでしまうから

 

しかしなぜ、ルースはメグの女性器ばかりを執拗に痛めつけたり、女同士なのに性的虐待めいた事をするのかがわからない…レズビアンでもないし…

ルースは女性という性にコンプレックスがあるのか?これからいろんな男性を魅了するであろう若い女であるメグに嫉妬したのか?ルースの夫はルースを捨てて逃げたらしいけど、ルースの夫が若い女と不倫でもしてたとか?

理由は最後まで分からないけど、私には年老いた女が若い少女に向ける嫉妬に思えた

 

だとすると、嫉妬だけで残忍な事ができる人の皮を被った鬼みたいな「生き物」が現実にいたんだよなあ…身震いする

人は集団になると残酷になれる、どこの世界にもこんな狂った奴らはいるし、過去にもこの手の事件はある、今こうしてる間にもこんな事件は起きている

 

自分の身は自分で守らなければいけない

 

近頃は物騒なのでこういう奴らがいたら全力で関わらないようにしよう

このブログを読んでいる方も本当に気を付けて