横溝正史は19才から20代前半まで好きで読んでいたけれど、もう忘れかけているので再読しました
「悪魔の手毬唄」
私が読んだ方はこちらの表紙、同じく昭和52年4月20日の30版です↓
やはり横溝は杉本一文のオドロオドロ表紙が1番です
ただ「悪魔の手毬唄」読んだのたぶん今年の1月ごろだったと思うので、さっそく内容忘れかけてます…ので、ざっくりとした感想になるけどかいていきたいと思います
(間違えてるところがあるかもしれません)
あらすじ
まず相関図がややこしいので…
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*主要人物
仁礼嘉平(仁礼の主人)
咲枝(嘉平の妹)
文子(咲枝の娘)
由良敦子(由良の当主)
泰子(敦子の娘)
多々羅放庵
恩田幾三
源次郎(亀の湯当主)
青池リカ(源次郎の嫁)
歌名雄(リカの息子、泰子と付き合っている)
里子(リカの娘)
別所辰蔵(ぶどう酒工場の主人)
春江(辰蔵の妹)
大空ゆかり(錠前屋の娘)
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磯川警部の紹介状で、金田一耕助は岡山にある鬼首村の「亀の湯」という温泉宿に宿泊する事になった
鬼首村は「仁礼家」と「由良家」が勢力になっており、仁礼を「秤屋」由良を「枡屋」という屋号がある
事は遡り大正、仁礼家の主人はぶどうを栽培することに成功し鬼首村の資源になった
それが面白くない由良家の主人のもとに昭和6年に素姓の知れぬ「恩田」という男が副業を持ってやってきた、由良の主人はそれに乗ったがそれが良くなかった
恩田は詐欺師だった
それに感づいた「亀の湯」の次男、源次郎が恩田が身を寄せている「多々羅放庵」の家の離れへ詰問しに行く
とっちめようとした所を、逆襲に合ってしまい殺されてしまったのだ
陰惨な事件の数々を知ったその2週間後、金田一は「おりん」という不気味な老婆とすれ違う
おりんは多々羅放庵の5人目の嫁、しかしおりんはすでに亡くなっていると知る
心配になった金田一は多々羅放庵の元へ訪れるが、放庵は部屋に血痕を残しいなくなっていた
その後、里帰りをしたゆかりが鬼首村に来て、この村を取り巻く人々が出揃った
その夜、最初の犠牲者が出る
泰子が口に漏斗を押し込まれ水責めにされ殺されていたのだ
鬼首村に伝わる数え歌になぞらえ次々と殺人がおきる
数々の容疑者に翻弄される金田一は犯人を突き止めることができるのか?
感想
たしか「獄門島」も歌になぞらえて殺人が起きる見立て殺人ものだった
基本、推理小説界隈では見立て殺人には意味がないものと言われていたが、この「獄門島」は初めて見立て殺人に意味をもたせた作品だった
私個人はこの「獄門島」が良作だったと感じているので「悪魔の手毬唄」に関しては見立て殺人にする意味があったのか…まあそこは横溝正史が書きたかったのかなという印象を受けた
動機もややうすいように感じた
というけれど、やっぱり名作だった
読んでいて見事にミスリードされてしまったし、数え歌のために小道具を使って殺害するけど、この小道具も作中で話を面白くする良い仕事をしていた
ネタバレしたくないからほぼ詳しくかけないけど、犯人判明の場面で脱力した
殺害した人物の顔を見た犯人の気持ちを思うと、犯人を知った人物の気持ちを考えるとかわいそうで仕方なかった
トリック云々よりも村の人間の思惑や愚かな行為が影響して今回の悲劇が起きたというところと、横溝正史の作品にしてはド級に悲しくやりきれない作品だった
動機がうすいとかいたけど、これは所詮第三者から見た感想だし、犯人からすると恨み、憎しみが積もり積もっていたのだろう
絶妙な後味の悪さがある読後感だった
次は「八つ墓村」でも読もうかなあと思っています