私のお気に入りのSF小説のひとつである「ハローサマー、グッドバイ」
これ、めちゃめちゃおもしろい。だいぶまえに読んだのでざっくりあらすじだけども
政府高官の息子ドローヴが夏休暇を過ごすために
港町パラークシに訪れるところからはじまるんだけども
そこで出会ったブラウンアイズという女の子に恋をする
(というか、前に会ってて再開する)
ところが、海にグルームという黒い粘液のようなものが到来し
パラークシは隣国と戦争状態となる
政府高官の父親は身の保身に走り息子であるドローヴは
その立場上、町で白い目で見られるようになる
やがて、大凍結という長い冬が訪れた
ドローヴはシェルターのなかで過ごすことになったが
外には寒さで亡くなっていく人たち、すさんでいく人たち
そのなかに、夏を共に過ごした友達もいた
もちろん、ブラウンアイズも
しかし、そんなシェルターでの生活も長くは続かない
ドローヴは「あること」に気づく
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☆感想
これほど、前半と後半の落差がすごいSF小説もない
はじめは、ドローヴも友達と一緒に海で遊んだり
ブラウンアイズと甘酸っぱい恋愛をしたり
スタンドバイミーみたいな10代の青春物語だったのに
中盤、隣国との戦争がはじまり暗雲がたちこめて
後半の大凍結
暖かいシェルターからドローヴが出るとフェンスの向こうにドローヴの友人たちがいる
友人の一人である男勝りなリボンという女の子とのやり取りは
戦争は人をここまで変えるのかという恐ろしささえ感じた
フェンス越しに、こっそり密会する(父親に反対させられている)
ドローヴとブラウンアイズのシーンにはむねがきゅっとさせられる
そして切なさからの、ラストの恐怖
(私、読解力なくてラスト解釈がよくわかんないんだけど怖かった)
表紙からは思いもつかない緩急がえげつなすぎるSF