読書人間の電子書斎

〜今まで読んだ本を記録して自分だけの図書室を作るブログ〜

「ペット・セマタリー 下巻」スティーブン・キング

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このイラスト、いちおうゲイジとチャーチをイメージして

探してみたんだけども、あってんのかな…ほんとに。

 

話は戻って、下巻は息子のゲイジの交通事故による死からはじまる。

 

この下巻はあらすじは見所だらけでこれから読むって人がいたらいけないから長くかけないけど、ざっとかいてみる。

 

 ルイス一家は庭に出てタコを飛ばして遊んでいた

しかし、手から離れたタコを追いかけてゲイジは走り出した。

 

ルイスは走ってゲイジを追うが

ゲイジのほうが一足早く、道路に出てしまった。

 

そして…

 

そういうことがあって、下巻の冒頭はゲイジの葬儀からはじまる。

 

葬儀でルイスはレイチェルの父親と喧嘩をする。 

「お前は娘も孫も不幸にする」そういってルイスを殴るレイチェルの父親。

 

どちらも…息子を亡くしたルイスの痛みも

孫を愛していたレイチェルの父親の気持ちもわかるから

このシーンは胸が痛くなります。

 

その夜、ルイスはジャドに  

ペット霊園の祭壇に人を埋めたことはないか?と聞く。

 

その意味を察したジャドは語った

昔、ティミーという軍人の息子を亡くしたビルという男が

ペット霊園に埋めた…確かに生き返ったが

そいつはすでに歩き方からしてすでに生きてる人間のそれではなく

人間の理性などもなかった。

 

そして、何日もたったあとビルの家で火事があった。

 

二人とも焼死した。

 

だから、めったなことはするもんじゃないと

ジャドはルイスにさとした。

 

数日たって、レイチェルはエリーと両親の元へ行くことになる。

 

ルイスはゲイジの葬儀のときに

レイチェルの父親と喧嘩をしたことを理由に

レイチェルの両親の家へ行くことを断った。 

 

そして、ルイスはゲイジの墓へ向かった。 

 


 

☆感想

 

うすうす想像してたことが起きたなって

 

やっぱり、ルイスは息子の死を

「いつかは誰にでも訪れるものだから仕方ないこと」だと

割りきることはできなかったんだなあ

 

そんなに、綺麗事では済まされないもんな、大切なものの死は

 

そのあとの展開はもう予想通りゲイジが大暴れしますが

物語の後半、泣きっ面に蜂と言わんばかりにもっと悲惨な事が起きる。

 

結末も、救いがない。

 

終始、「ああ…」とか、うなりながら読んでた。

 

あらすじには「哀切極まりない愛の物語」とかいてるけど…

本当にそれ「愛」かな

愛があるなら安らかに眠らせようとおもうよなあ… 

 

でも少し考えた

 

ルイスの場合はゲイジを事故から助けられずに亡くした。

その結果、自分が殺してしまったという気持ちがどこかに、あったんじゃないかなって思う。

 

私がルイスなら助けられなかった、私が殺したって思い込む

そこへ、死んだものが生き返る墓なんてあったら、そりゃあ…

私だってわき目もふらずに埋めにいく。 

 

誰かに止められても、自分の罪悪感をなくすために

死者は安らかに眠らせようなんて考えなんて毛頭消え失せ

エゴのようになって墓を掘り起こしてると思う。

 

どちらかというと狂気を感じる愛の物語。

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