【真夏の怖い本祭り2021第一弾】廃墟の怖い話
私が勝手に真夏に開催する怖い本祭りの第一弾はこの本
廃墟の怖い話
これは小説投稿サイト「小説家になろう」のホラー部門から選ばれた話と書き下ろしの7篇の短編ホラーとなっていて「廃墟」がテーマ
私がこの中で気に入った話をざっと記録していきます
(★は私の感想)
「お前は誰だ」
高校最後に気になる女子、佐緒里とその仲間達で廃校に肝試しに行く事になった彰二
崩れかけの廃校にこわごわ入る一行達はある鏡を発見する
…が、その鏡から腕が飛び出してきた、それはやがて全身を現した
その姿は彰二の仲間のうちの一人だった
彰二達は自分と同じ顔をした化け物と対峙する事になるが…
★スリルとスピード感がバランス良く同居した良き作品だった
「知っている」
中学生のわたしは小学生の頃の友人、優菜と自分だけの秘密の場所…廃墟になった館に招待する
そこで、行われる背徳的な行為とは…
★これは好みの作品で怖いというよりもオチで良い意味で肩透かしをくらった、ユーモアさえ感じるユニークな話
「タクシー運転手のヨシダさん」
主人公の僕の友達はタクシー運転手のヨシダさん
僕はヨシダさんと様々な心霊スポット巡りをするが、最後の心霊スポットで取り返しのつかない体験をする
僕とヨシダさんの運命は…!?
★これ、もう読書サイトやTwitterでも推しまくってるけど、この話が一番好き。確かに怖いんだけど主人公の僕の語り口調のおかげでライトに読める。オチも世にも奇妙な物語的な感じでとても私好みでした。
(ところで私ってよく怖い本を世にも奇妙な物語で表しますね)
こちらwebサイトでも連載してますので、ぜひ読んでほしいです。
「合わせ鏡の双子の呪い」
双子の姉、有希子は妹の有希子に彼氏の徹を取られてしまう
大人になり有希子は徹と結婚してしまう
ある日、有希子は有希子に廃墟になったミラーハウスに誘われた
そこで明かされた真実とは…
★いやー、これも怖くはなかったんだけど人間の汚い部分が詰まってて良かった、ドロドロ系は苦手なんだけどたまにはいいなあ
★感想
正統派の怪談…というより中村悠一さんの「リアル鬼ごっこ」的な人が怖いよ的な怖さを感じる話が多かったけど人間の醜い部分を掘り下げて描いてる話がいくつかあって意外だった
こういう「なろう小説」的な小説ってもっとライトな感じなのかなと思ってたけど、良い感じに重くてどんよりさせてくれた新鮮な本でした。