いわゆるかぐや姫だけどちゃんと原作を読んだことがないので、大好きな作家、星新一による「竹取物語」を読んでみました
といっても、かぐや姫のあらすじなんてほとんどの方が知ってる(知らないの私くらい)と思うので、ざっくりと記録しておきます
★あらすじ
竹取りじいさんのミヤツコが光る竹を見つけたらそこには小さく可愛らしい娘がいた
子供がいなかったミヤツコは妻のおばあさんと一緒に育て上げた
年頃になり美しく成長した娘は神主に「かぐや姫」と名付けられる
そして、美しい娘がいる事を聞きつけた男性達がかぐや姫に求婚をするのだが、かぐや姫はそれをたいそう嫌がり男達に無理難題を与える
「み仏の石の鉢」
「蓬莱の玉の枝」
「火鼠の皮衣」
「龍の首の玉」
「つばめの子安貝」
この「そんなもんねーよ」と言いたくなるほどぶっとんだ品を手に入れるために男達は四苦八苦しながら挑む
男達の運命は?かぐや姫はどうして求婚を拒むのか?
物語の最後に待っているものとは…?
★感想
かぐや姫は月の人だから人間とは結婚できず、いつか育ての両親と別れるときが来る…切ない話なのに星新一が訳しただけあってブラックユーモアあり皮肉あり、なのに「竹取物語」の世界観は一切壊してないので安定感がありつつ新鮮な気持ちで読める1冊
原文も読めるので日本語の勉強にもなるし、一章ごとに星新一の感想や考察が読めるのも良い
また、星新一のSF感のある文章と昔の作品である「竹取物語」がマッチしてるのも凄い、やっぱかぐや姫が月の人という宇宙設定だからかな
言葉遊びも面白くて、例えば「つばめの子安貝はなかった」=「かいがない」とか、かぐや姫と男性達との和歌でのやりとりも絶妙にうまいダジャレが含まれている
「竹取物語」が誕生した時代の人もこの手のギャグが好きだったんだなあと思いを馳せてしまった
※
しかし改めて竹取物語読んでみると、3年もかかってかぐや姫が欲しがる品を探しに行く男性達はアクティブだな
私だったら3年もかかる時点でかぐや姫の事は諦める…めんどくさいから
ミカドが登場してから感動のフィナーレへ…って感じの展開になるけど
竹取物語のハイライトはけして手に入らない物を知恵を巡らし手に入れようとしたり、時にはかぐや姫を騙そうとする男性達の空回りっぷりだと思う
5人の男性達の根性を感じる、そしてそれを一蹴する星新一のツッコミが笑える新鮮な名作
↓私の本屋的なもの、今まで読んだ本を随時更新していきます。
ちなみに、私の好きなお菓子とゲームもありますがそこはお気になさらず