読書人間の電子書斎

〜今まで読んだ本を記録して自分だけの図書室を作るブログ〜

太陽の塔 森見登美彦

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森見登美彦の「太陽の塔」笑いがとまらん。

なんではやく読まなかったんだろう?

 

☆あらすじ

大学生の主人公の「私」は恋人の水尾さんに振られる。
しかし、私は諦めきれず「水尾さん研究」と
称して水尾さんをストーカー…もとい観察日記をつける。
(ストーカーの本ばかり読んでるな)

 

そんな変人の私には女っけのないこれまた変人の友人達がいる。
私と友人達は誓う。
幸せなリア充のクリスマスにとんでもない旋風を巻き起こしてやろうと!

 

太陽の塔(新潮文庫)

太陽の塔(新潮文庫)

 

  ☆感想

 

語り手は「私」なのですがそうとう、モテないをこじらせているし、妄想力がたくましすぎる。

 

勝手に話を作り上げるようなやつ。

 

例えば、行きつけのコーヒー豆店の店員さんが豆を挽くところを見ながら

 

「彼女の欲望は豆だけでは満たせなくなり、やがて柔らかい小動物を
がりがり粉微塵にしては夜な夜な歓喜の笑みを浮かべるのだった
……などと私は店先で勝手に妄想し、勝手にぷるぷる震えていた」

 

このレベルの妄想をこの小説の中で何度も繰り広げる。

 

あと「私」のバイト中に起きたふしぎな出来事や
恋のライバルとのくだらない闘い
「私」と友人たちのうつうつとした鍋パーティー
モテない男たちの面白すぎる日常が季節の移り変わりと共に楽しめます。

 

なにより「私」とその友達がクリスマスに殴り込みをかける場面は圧巻。
京都の街を舞台にシュールな光景が繰り広げられる。

 

終始、笑いっぱなし日常系コメディ。


でもラストはきっちり甘酸っぱいのはさすがの森見登美彦

 

不器用でアホな主人公「私」のくだらない日常と
いきすぎた妄想に付き合うことになる一冊。

 

モテない男達の汗臭い青春記録。 


 

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