読書人間の電子書斎

〜今まで読んだ本を記録して自分だけの図書室を作るブログ〜

ジョン・スタインベック「ハツカネズミと人間」

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これも私が読書メーターで挑戦している「ガーディアンの1000冊読破」のなかの1冊なんですけどね…

読み終えたのは「怒りの葡萄」で有名なスタインベック

「ハツカネズミと人間」

だけど、この作品でまさかこんな思いをするなんて…

ハツカネズミと人間 (新潮文庫)

ハツカネズミと人間 (新潮文庫)

 

✦あらすじ

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子供の頃から友達同士のレニーとジョージ

レニーは体が大きく少し知能が遅れている反対にジョージは小さく賢い

 

二人は小さな家を買い、農場を持ち、うさぎを飼いながらほそぼそと暮らす夢を持って農場を渡り歩いて働いて暮らしている

 

二人が見つけた、その農場には様々な労働者たちがいた

犬をかわいがる労働者、犬はあくまで道具といいはる労働者

黒人ということで差別をされるのを恐れ働く以外は部屋にこもりきりという労働者

色んな年齢の労働者たちが複雑な人間模様を繰り広げている

 

そんな農場で働くことになったジョージとレニーだったが

体の大きなレニーは当然、力も強く

渡りものを気に入らない労働者にケンカを仕掛けられるんだけど

力を加減するほどの知能がないレニーは大怪我をさせてしまう。

 

ただ、それはジョージや、労働者仲間のスリムが

うまく口利きを違うしたおかげでレニーの立場は守られた。

 

しかし、曲者は農場で働くリーダー格の奥さん

この奥さん、本来は派手好きで農場の嫁などという刺激のない生活をしてるせいか、欲求不満。

労働者たちを挑発しては反発を買っていたのだけども

 

ある日、レニーにちょっかいをかけ

混乱したレニーは奥さんを静かにさせようと口を押さえて殺してしまう。

 

そして、レニーは農場のリーダー格と人とその仲間に追われることになった。

 

 

★感想

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いやー、難しいわスタインベック

 

というか、文学は難しい

 

でも、レニーをリンチしようと追いつめるリーダー格の人たちから

ジョージがレニーに、とった行動は衝撃すぎて鳥肌がたった。

 

 

これはもうネタバレだけは書かない。

 

だから、読んだ感想だけを書きます。

 

レニーはただ、幸せに暮らす夢を見て働いていた

でも、ジョージは知能の足りないレニーの尻ぬぐいに疲れていた

だからあんな行動を取ったんだと思う、いたしかたない

 

…が、あまりにも…そう理不尽な気がした

 

レニーは確かに知能は足りないけど、あの農場の誰よりも純粋で優しい心を持っていた

でも、そんな心を持たない人間たちに追い詰められる

そう考えると「ハツカネズミと人間」ってタイトルも考えさせられる

本当の人間はどっちだろう

 

でも、純粋なものが踏みにじられる世界なんだ

いつの世も同じなんだと読んでいて悔しくなってしまった

 

ジョージはこれからどのような人生を歩むんだろうか

幸せになれるんだろうか、罪悪感で苦しむのだろうか

それともせめてもの罪滅ぼしにとレニーと描いた夢を叶えるのだろうか

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