いわずとしれた「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な水木しげるがかいたエッセイ
「ほんまにオレはアホやろか」昨日読み終わったんだけども
非常にためになった………っ!
これは、水木しげるの半生
人と変わった少年時代、南の島の人達と出会った兵役時代、漫画家として食べていけるようになるまでの下積み時代が水木しげる自身の言葉で綴られている。
我が道を行く子供時代は昆虫を愛し誰よりも自由に過ごし
働くようになってからは「それは言ってはいかん」というような
ことを言ってはクビになり
新聞配達の仕事をしながら、夜なら頭が冴えるからと夜間学校に通い読書三昧。
赤紙がきて兵役につくことになっても水木しげるのゆったり感は続く。
あまりにのんびりしすぎてるので上官に叱られるし、どうにもうまくいかない。
過酷な戦闘の話でもこのエッセイはどこか
淡々と…いやとても、客観的に描かれている。
南の島で現地の人と出合い交流を深めていくうちに
日本に帰るのが嫌になるというしまつ。
戦争は激化しているといのにやはり、水木しげるは変わり者だと思った。
腕を負傷して日本に帰り、様々な商売で食いつなぐ
売れない漫画家としての下積み時代
何度も何度も売り込みに行って極貧のなかなのに
水木しげるはいつも自然体でけしてくさらない。
「墓場鬼太郎」の誕生秘話も描かれている作品。
★感想
私の語彙力ではこのエッセイの感想を書けないのがくやしい。
でも、なんというかこれだけはいえる
水木しげるはいつも超然としている
普通の人がどうしよう、もう終わりだという局面でも
ゆったりと構えている
明日から食えない、仕事をクビになった
それでも、飄々としている。
ボーッとしているようでもちょくちょく周りを見据え
ここだというところで行動する
本人の人柄だとも言えるけど
兵役時代に出会った南の島の人の影響かもしれない
私はこのエッセイを読んでいて南の島の現地人に対する
水木しげるの考えがとても気に入って何度も読み返してる
とりあえずうまく伝えられないので
このエッセイの気に入った言葉をあげる
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人間だけが時計なんかつくって自分で自分の首をしめている
アフリカのピグミーたちの考えの「ゆるやかに進むことが生を豊かにする」
なにかどえらいものにありつける気がして馬車馬のように働いたがその実、なにもなかった
人におくれたからといって人間は元来、鳥、けもの、虫けらと同じものなのだ
やはり怠けていてはだめで、やるからにはなんでも粘り強く、努力することが必要である
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日本はまあとにかく便利だけど便利になるにつれ
なぜか人の心はギスギスしていく
これって、ただ笑って食べて用を足して、必要なぶんだけ働いて寝る…それが幸せだという南の島の人のような考えがあまりないからかなあと思う
文化も違うし…
でも、どこにいたって人は自然や大地とともに生きているのだから、人間だって動物で、動物のようなのんびりとした生き方のほうがおそらく自然。
なのに、知恵を得、少しでも楽になろうと欲張りむやみやたらに発展した。
発展した結果、人を型にはめようとする現代社会になる
また、大体の人は大体の人と同じようになろうとするから疲れる
この世界が嫌になる
人はなにか一つ手に入れたらあれもこれもとなり
レベルをむりやり、上げようとするから
そのぶんどんどん心も荒んでいくんだなあと感じる
みんな同じになるとかロボットじゃないから無理なのにね。
私も…まあ、ここは日本だけど南の島の人から得た水木しげるの考えを少し参考にさせてもらって、なにか息詰まることがあれば少し物を手放し、自然の思うままに身を委ねて過ごしたい。
たとえそれで、人生が思わぬ方向に転んだとしても
だまって、それを受け入れよう。
泰然自若。
苦しくなったら私も南の島の人になる。
水木しげるのように悟った考えをするのは無理だけど
自然体で自分のペースで生きていきたい。