すぐ死ぬんだから 内舘牧子
「もう年だから」「どうせ死ぬんだから」「終活しなきゃ」
そんなネガティブな言葉をバッサリきっちゃう主人公の78歳のハナさんが素敵な作品!
78歳の忍ハナは夫、岩蔵の死後に岩蔵が妾を囲っていたことを知る。
しかも40年。
でも、ハナさんの軽妙な語りのおかげか話が重くならない
というか、私は妾の存在よりもハナさんの生き方ファッション
メイク、美意識の素晴らしさに感嘆
「若作り」とか「綺麗にしても意味ない」「人間は中身だ」などの
周囲の言葉を、ハナさんは見た目が若い自分への同年代の年よりのやっかみだとバッサリ切り捨てる。
老いに対して「ナチュラル」に老いた方がいいんだという周囲の考えを
否定して「若作りこそが年寄りには必要なんだ」と老いても美しさを追求するストイックさがかっこいい!
見た目に磨きをかけない嫁、由美にも心のなかで毒をはきまくるでも、そこも憎めなくて、私までちょっといじわるな姑気分で読んだ。
そして、結局は妾と妾の息子と仲良くなってしまうハナさんの度量と精神的な余裕に感嘆。
挫折してもなにかを始めようとする挑戦心
ハナさんは見た目だけでなく中身もイキイキしててさっぱりしてて最高の女性だ。
やっぱり、なにごとも楽しむことが若さの秘訣なんだなあと実感できる作品でした。
私もこんな年の重ねかたをしたいと元気が出る。
すぐ死ぬんだから…楽しまなきゃ損でしょ!
そんなハナさんの心意気を感じる一冊。