メーテルリンクの「青い鳥」読みましたー(^^)
いわゆる「幸せの青い鳥」ってやつで有名な作品
こちら、戯曲となっておりまして
戯曲っていわゆる脚本みたいなやつで
少し物語の風景とか人物造形とかそういうのが想像しにくかったけど
文字数じたいは少ないのでさらっと読めた。
★あらすじ
クリスマスイブの夜、貧しい木こりの子供のチルチルとミチルの兄弟は
裕福な子が楽しそうにクリスマスの祭りに参加してるのを
家の中で眺めているところから始まる。
その時、妖女が二人の前に現れる。
妖女は「青い鳥を探してきてほしい」となかば強引に命じ
チルチルとミチルは青い鳥を探す不思議な旅に出ることになる。
★感想
チルチルとミチルは色んな国に行って青い鳥を捕まえるけれど
その鳥は色が変わったり、死んでしまったり…なかなか捕まえることはできない。
しかし、最後に二人はずっと身近にあった「青い鳥」…つまり幸福を見つける。
この作品じたいは未来の可能性を感じる結末だった。
そして…
幸せについて考えた
これは難しい。上手くいえないけど…
例えば、現実でも…
追い求めてやっと手に入れた幸せが、チルチルとミチルが捕まえた鳥のように、幸せも変わってしまったりこんなはずじゃないという感じになったり、ある日急になくなったりする。
あとは身近に幸せがあるのに気付かずに
「こんな人生を送るはずではなかった…」と後悔しながら終わる人もいたりするんじゃないか
私が思う幸せって…まあ…なんだ。
追い求めたり、むりやり引き寄せるもんではなく
ちっちゃいことで嬉しいなとか楽しいなとか
親と話したり猫と一緒に寝たり…趣味やったりと他愛もない日常の時間。
でも、まったり過ごすだけでなく
やらなければいけないことはこなして自由な時間も少しでいいからとる。
そういうのを重ねながら大切に過ごすことだと思ってるんだけど…。
でももちろん、幸せの解釈って人にもよるから
金持ちになってやる!出世してやる!名声を得る!とか
そんなんでもいい。叶って本人が納得すればそれでいいのはやまやまなんだけど…
今の私は部分的には幸せだけど
「今までの人生全体を振り返ったらどう?幸せ?」と聞かれるとまだまだ。
だから、今の日常の幸せを壊さないようにしながら
人生を充実させることを目標にしたいとこの作品を読んで思った。
運命の残酷さを痛感した
青い鳥を探す旅路で、チルチルとミチルはこれから生まれる子供たちが住む「未来の王国」にいくのだけど
チルチルとミチルはこれからうまれてくる自分の弟に出会う。
ただ、その弟は風邪で3ヶ月で亡くなる運命を持って生まれることになっている。
それだけじゃない、ここの子供たちはなにか一つ持って
現世に生まれなくてはいけない。
才能や能力、罪、病気、死さえも…。
良いものはともかく、残酷なものを持たせられて時の神に急き立てられて生まれさせる子供たちがいる王国。
これなあ…才能や能力、健康な人がいて普通に日常を過ごしてる人たちがいるなかで
若くして病気で苦しんだり、罪に手を染めたり
私も発達障がいなどで周りとうまくいかないことがあったりで普通にできない。
人間って…なんというか、平等ではないと感じることがままある。
本当にこんな王国はないと思うけど
人ってなんか運命みたいなものがあるんじゃないか
(もちろん運命なんて変えてやると挑むのもありだけど、それは挑む勇気を持って生まれた人だと思うし)
私も過酷な何かを持たされて生まれたのかなと辛い気分で考え込んでしまった。
やっぱり、作者もそういう世界の残酷さみたいなものも
伝えたかったのか…。
この作品、子供向けかと思うけど
亡くなってしまった人たちと対面する国の話もあったりするし
むしろ、大人になってから読んだほうが気付かされるものがある。
今一度、自分の人生を見返すために読むといいかもと思った良書でした。