読書人間の電子書斎

〜今まで読んだ本を記録して自分だけの図書室を作るブログ〜

谷川俊太郎詩集

 

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 ふだん、あまり読まないのだけど詩集を読んでみた。

 

谷川俊太郎、たしか、小学校の頃、教科書で「朝のリレー」を授業で習ったのは覚えてる。

 

子供の頃は朗読とかいやで、ちゃんと「朝のリレー」を読んでなかったけど大人になると見方がかわる  

 

以下、お気に入りの詩、抜粋

 

朝のリレー

 

カムチャッカの若者がきりんの夢をみているときメキシコの娘は朝もやのなかでバスを待っている」からはじまり「ぼくらは朝をリレーする」「眠る前のひととき耳をすますとどこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる」「それはあなたの送った朝を誰かがしっかりと受け止めた証拠なのだ」

 

どこの誰ともわからないけれど世界中の人と人はそういう風に繋がり 
世界を成立させてるんだなと思わせられる。
私も小さな存在ながらもどこかの国の誰かの朝を受け取り
寝るときには誰かに受け止めてもらっている、けして人は一人ではないのだ、そういうふうに思わせてくれるそんな詩だった。

 

生きる

 

「生きてるということはのどがかわくこと」「くしゃみをすること」
「すべての美しいものに出会うこと」「かくされた悪を注意深くこばむこと」
「泣けるということ、笑えるということ、怒れるということ、自由ということ」
「いまどこかで産声があがるということ」「いまどこかで兵士が傷つくということ」
「鳥ははばたくということ、海はとどろくということ」

 

私が今してること例えばゲームやって、ブログかいて
欲しいもの買って、笑って、辛けりゃ泣いて、死にたいとか言ってみたり…そんな事ができるのも確かに生きてるということ 
そうやって、私が生きてる裏で、誰かが戦争で傷ついたり、誰かが世界に絶望したり…
でも、自然や動物は構うことなく通常運営で生活して生きている 

 

物凄く規模が小さな感情も、大規模な悲しみさえも、この世界を構成する全てが生きてるってことなんだ
「生きる」ことって自分中心に考えがちだちだけど本当はもっと広く捉えた方がいいよなあ
私も人生で躓いたら、「生きるのが嫌だ」と思ったら
この詩を思い出して1度、「生きる」ことの尊さを噛み締めて前に進みたい。

 

谷川俊太郎詩集 (ハルキ文庫)

谷川俊太郎詩集 (ハルキ文庫)

 

 

余談だけど…

 

谷川俊太郎の詩って韻を踏んだお茶目な詩から
官能的な詩までけっこうオールラウンダーな人なんだなーってこの詩集読んで分かった!

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