長野まゆみは「少年アリス」を読んだことをきっかけに、その世界観のとりこになってしまい、今では立派なまゆみストになってしまった私。
梅雨ということもあり、この前読了したのは「雨更紗」
毎度のことながら私の読解力がないので、ざっくりとした感想になると思いますが、ここに記録していこうと思います。
★あらすじ
この物語の主人公の哉は、教師の越知にノートを渡すようにと頼まれて従兄の玲の家を訪ねる
哉自身は玲に苦手意識があり避けていたのだが、ある雷雨の日、哉は玲の家に泊まることになった
いつもと違う寝具のせいか寝苦しいながらも、哉がうつらうつらしていると玲と思わしき人物に抱かれる
あの夜自分を抱いたのは本当に玲だったのか
哉は越後に相談を持ちかける事にしたが、それを見ていた女教師は越後に忠告する
哉は玲だ、そして彼は過去に人を殺している
…と。
哉と玲の間の秘密とは、そして過去に起きた殺人とは…そして越後がどうして哉に目をかけるのか…様々な謎が交錯していく。
★感想
雨の降る夜に静かに部屋で読むのに最適な一冊だった。
いつもの幻想的な世界観にミステリー要素が加わってるような内容で色々と考察するのが楽しく、読んだ人によって解釈が変わると思うんだけど…
私の解釈としては、過去の出来事(ネタバレするから詳しくは書かない)から、玲が哉という人格を作り出し教師の越後は存在しない玲を愛してしまったのかな…と。
でも、玲と哉…越後はどちらを愛したのか…謎のままの方がロマンチックで良いかもしれないね。
淡いBLを美しく描いているのもさることながら
文章だけで彼岸と此岸の境界の曖昧さを表現しているのが凄い
あの世の儚さみたいなのが梅雨独特の雨が煙る舞台と良い具合にマッチしてる酔える作品だった(何を言ってるんだ私は)
※
さあ、梅雨明けしたらもう本格的な夏か!
夏に備えて怪談本を今現在、読み漁ってるところなので、近いうちこのブログで「2021年怪談本祭り」を勝手に開催しようと思うので、また遊びに来てくれたら嬉しいです。よろしくお願いしますm(_ _)m