読書人間の電子書斎

〜今まで読んだ本を記録して自分だけの図書室を作るブログ〜

2021-01-01から1年間の記事一覧

【娘の歪な愛情】「かか」宇佐見りん【短い感想】

「推し、燃ゆ」で芥川賞を受賞した著者のデビュー作「かか」を読んだ短い感想を書いていきます なぜ、短いかは毎度の事ながら私と文学作品の相性が悪すぎるからだ (私の読解力がない) かか 作者:宇佐見りん 河出書房新社 Amazon ちなみに、私はまだ「推し…

【真夏の怖い本祭り2021第一弾】廃墟の怖い話

私が勝手に真夏に開催する怖い本祭りの第一弾はこの本 廃墟の怖い話 (宝島社文庫) 作者:風羽 洸海,裂田 伊織,佐野 和哉,久保田 一樹,禾,悠井 すみれ 宝島社 Amazon 廃墟の怖い話 これは小説投稿サイト「小説家になろう」のホラー部門から選ばれた話と書き下…

【若者たちよ人の話を聞け】コメディホラー「タッカーとデイル 史上最高にツイてないやつら」

ちょいと前になにかコメディタッチのホラーでも観たいなあと思って、アマプラで観たのが「タッカーとデイル 史上最高にツイてないやつら」 タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(字幕版) アラン・テュディック Amazon これ結構、ツボだったのでざ…

【西向く犬】「少年と犬」馳星周

東日本大震災から5年間彼は走り続けた 【第163回 直木賞受賞作】少年と犬 (文春e-book) 作者:馳 星周 文藝春秋 Amazon 直木賞受賞作でもあるこの作品、なんとなく手にとって読んでみたけど、こんなにも泣くことになるとは思いもよらなかった 例によって語彙…

【おすすめしたいミステリー】「北ア山荘失踪事件」森村誠一【ランキング形式感想】

森村誠一はこの短編集↓ 北ア山荘失踪事件~森村誠一ベストセレクション~ (光文社文庫) 作者:森村 誠一 発売日: 2017/11/24 メディア: Kindle版 …が、初読みなのだけれども「野性の証明」や「人間の証明」などドラマ化もしているのでめっちゃ有名な作家さん…

【その才能わけて】「闇に降り立った天才アカギ」1巻 福本伸行

中学の時アカギアニメを観て、去年に麻雀にはまった私(ただし相手もいないし、雀荘行く勇気もないのでネト麻) アカギの原作も去年くらいから読み始めたので、短い感想を記録していく。 アカギ-闇に降り立った天才 1 作者:福本 伸行 フクモトプロ/highst…

【ブッダが我を忘れる】「聖☆おにいさん」19巻 中村光

私はこのブログでは漫画の感想も書いていきたいのだけども、1巻から書いていくのは難しいので、刊行されている最新巻を読んだ感想をぱぱっと書いていくことにします。 んで、最近読んだのは「聖☆おにいさん」19巻 聖☆おにいさん(19) (モーニングコミ…

【淡いBL小説の短い感想】「雨更紗」長野まゆみ

長野まゆみは「少年アリス」を読んだことをきっかけに、その世界観のとりこになってしまい、今では立派なまゆみストになってしまった私。 梅雨ということもあり、この前読了したのは「雨更紗」 雨更紗 (河出文庫) 作者:長野まゆみ 河出書房新社 Amazon 毎度…

【嫌ミスか?】ギリアン・フリン「ゴーン・ガール」下巻感想【ちょいネタバレ】

下巻やっとこの前、読み終わったー。 嫌ミスは苦手なのですがこの小説はわりとサラサラと読めました。 こちらは「ゴーン・ガール」の上巻の感想↓ ellery0y.hatenablog.com ★下巻のあらすじ 下巻では、上巻のエイミーの日記がニックを社会的に追い詰めるため…

【全オタクの代弁者】「まるごと腐女子のつづ井さん」つづ井

「オタクになる前の記憶がない」 「腐女子のつづ井さん」というエッセイ漫画は知っていたのだけれど 詳しくは知らなかったので、画像検索をかけたらこの言葉を発するつづ井さんの友人のコマを目にした このセリフに心当たりのある私は一気にこの漫画に興味を…

ブラックユーモアが冴える「短劇」坂木司

6月に入って1冊目に読了した本 坂木司さんの「短劇」 短劇 (光文社文庫) 作者:坂木 司 光文社 Amazon こちらは26篇の短編集になっており そのなかでも、私がお気に入りだった話のあらすじとざっとした感想を書いていきたいと思います。 「雨やどり」 結…

些細な違和感を恐怖に変えた小説「ファミリー」森村誠一

私が5月に読んだ本 森村誠一「ファミリー」 ファミリー (講談社文庫) 作者:森村誠一 講談社 Amazon これね…たしか、子供の頃ドラマでやってて印象に残ってる作品なんです で、本屋で見つけたのでさっそく買って読んでみたんですが、いやー気持ち悪いし怖い…

【ちょい愚痴あり】解釈が難しい「忌館」三津田信三

三津田信三さん。 ホラーとミステリーを融合させた作風が特徴で、新感覚の読書体験ができるので最近、読みふけっている作家さんです。 この前読んだのがこの作品 忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫) 作者:三津田信三 発売日: 2014/05/09 メディア: Kindle…

増幅していく嘘「少女地獄」夢野久作

「ドグラ・マグラ」「いなかの、じけん」以来の夢野久作 少女地獄 (角川文庫) 作者:夢野 久作 発売日: 1976/11/29 メディア: 文庫 ↑私は夢野久作けっこう好きでコレクションしたいので文庫(米倉斉加年のカバーイラストのもの)で読んだのですが Kindleや青…

第30回鮎川哲也賞受賞作「五色の殺人者」千田理緒

最近、ネット麻雀で国士無双に2回連続で振り込むという不運を味わったので、しばらくは麻雀から離れてひたすら本を読みたいと思って読んだ推理小説。 五色の殺人者 作者:千田 理緒 発売日: 2020/10/10 メディア: 単行本 「五色の殺人者」鮎川哲也賞の受賞作…

【嫌ミス】ギリアン・フリン「ゴーン・ガール」上巻感想

……こんなヘビーなミステリー小説だったんか。 映画化もして話題になった「ゴーン・ガール」私は気になりつつも観てなかった。 私は映画は先に原作を読む派だから映画を観ることができなかったのだけども、この前原作の上巻を読了しました。 ゴーン・ガール …

【小市民シリーズ】米澤穂信「春期限定いちごタルト事件」

米澤穂信作品は「満願」「王とサーカス」「本と鍵の季節」と…あとなんか短編みたいなのを読んだことがあるからけっこう知ってると思うんですが、この「小市民シリーズ」は読んでなかった 昔、漫画で読んだことがあったと思うけど覚えてないので原作を買って…

【怪談シリーズ】井上雅彦「黒い遊園地」 工藤美代子「怖い顔の話」【短い感想】

最近読んだ怪談本を短い感想でまとめようと思う。 まず一冊目 ホラーアンソロジー「黒い遊園地」 黒い遊園地 (光文社文庫) 作者:井上 雅彦 監修 発売日: 2004/04/14 メディア: 文庫 これはアンソロジーとなっており遊園地をテーマにした怖い話を読むことがで…

イースターがテーマのウサギと鳥の絵本【ビアトリクス・ポター、小川未明、新美南吉、なかえよしを】

4月4日はイースター(キリストの復活祭)ということで イースターをテーマにKindleで絵本や童話を読んだ その絵本などのひとくちメモ感想を書いていこうと思います。 ★ピーターラビット①/ビアトリクス・ポター 【対訳】ピーターラビット ① ピーターラビット…

【本格推理小説】「チャイナ橙の謎」エラリー・クイーン

久しぶりのエラリー・クイーン ずっと気になっていた国旗シリーズの 「チャイナ橙の謎」をこの前、読了。 まあ、いつもの通り 推理小説系の小説は大した感想が書けないので覚書として記録。 ☆あらすじ ディヴァシー嬢は看護師でヒュー・カークの世話をしてい…

【怪談シリーズ】「山と村の怖い話」平川陽一【短い感想】

山系の怖い話といえば「山怪」という作品があるのですが↓ 山怪 山人が語る不思議な話 作者:田中康弘 発売日: 2015/06/06 メディア: 単行本(ソフトカバー) 山とか神秘に包まれた怪談も大好きで 似たようなタイトルのこの作品も読んでみた。 山と村の怖い話 …

辛口評価「トマシーナ」ポール・ギャリコ

この前、読み終わりました。 ポール・ギャリコは初読み。 でもポール・ギャリコは家の本棚に何冊か並んでいてファンタジーものを読みたい気分だったので「トマシーナ」を読みました。 トマシーナ (創元推理文庫) 作者:ポール・ギャリコ 発売日: 2004/05/25 …

四畳半神話大系のスピンオフ「四畳半タイムマシンブルース」森見登美彦

さあ、読み終わったぞー「四畳半タイムマシンブルース」 四畳半神話大系の主人公、主人公が想いを寄せる明石さん 悪友の小津、下鴨幽水荘の主の樋口氏が帰ってきた…… と、言いたいところだけど私は森見登美彦氏のファンになって日が浅い なもんで「四畳半神…

【ネタバレなし】青柳碧人「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」

日本昔話ミステリー「むかしむかしあるところに死体がありました」を読んでから、ずっと気になっててやっと読むことができた 「赤ずきん、死体と出会う。」 ★あらすじ 簡潔に書くと、赤ずきんちゃんが探偵で童話の世界で起こる殺人事件をバッタバッタと解決…

【ご当地怪談シリーズ】オキナワノコワイハナシ

とにかく観てみてと言いたい琉球怪談シリーズ、アマプラで観れます ↓この作品って、沖縄の琉球放送ってところで放送しているようで いわゆる、沖縄のローカル番組みたいなものなのかな? オキナワノコワイハナシ1 メディア: Prime Video 最近、怖い話を渇望…

【怪談シリーズ】怪談呪い家族【短い感想】

怪談・呪い家族 (TO文庫) 作者:山口敏太郎,中沢健,牛抱せん夏 発売日: 2015/06/01 メディア: 文庫 このまえ、読了した階段本。 山口敏太郎さんは作家さん 中沢健さんは小説家、脚本家 牛抱せん夏さんはYou Tubeでも配信している有名な怪談師 (怪談グランプ…

【怪談本シリーズ】短編怪談「鬼談百景」小野不由美

小野不由美さんと言えば「残穢」!と支持するほどの 残穢過激派の私だけど、こちらの「鬼談百景」も読んでみた。 ellery0y.hatenablog.com こちら、短編集となっており やはりどれもゾクゾクする話ばかりで捨て話はなし また「残穢」の元となる話も載ってい…

佐藤愛子「九十歳。なにがめでたい」

「気がつけば、終着駅」でこの作家さんを知りこのエッセイを読んだ。 九十歳。何がめでたい 作者:佐藤愛子 発売日: 2016/08/01 メディア: 単行本 内容としては90歳の著者が年齢を重ねて思うことや 現代人と昔の方の考え方の違いについて語るというもの 例え…

ジョン・スタインベック「ハツカネズミと人間」

これも私が読書メーターで挑戦している「ガーディアンの1000冊読破」のなかの1冊なんですけどね… 読み終えたのは「怒りの葡萄」で有名なスタインベックの 「ハツカネズミと人間」 スタインベック「ハツカネズミと人間」読んだ農場を渡り歩いて働いてい…

「ほんまにオレはアホやろか」水木しげる

いわずとしれた「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な水木しげるがかいたエッセイ 「ほんまにオレはアホやろか」昨日読み終わったんだけども ほんまにオレはアホやろか (講談社文庫) 作者:水木 しげる 発売日: 2016/04/15 メディア: 文庫 非常にためになった………っ! こ…